以前の記事で、「ブランディング」とは、商品やサービスに対して消費者に共通の肯定的なイメージを認知させる活動。と定義しました。
今回はその具体的手法の1つである「ブランディングデザイン」についてお話します。
目次
1.ブランディングデザインとは?
ブランディングデザインとは、簡単に言うと商品やサービスに対して消費者に共通の肯定的なイメージを認知してもらうために、情報を目に見える形にし発信するブランディング活動の1つです。
イメージしやすい実例を挙げると下記のようなものになります。
- ロゴ
- WEBサイト
- パンフレット
- 商品パッケージ
- プロダクトデザイン
- 名刺、封筒
- 広報に使用する動画や写真
等々
これらの視覚情報(デザイン)を通して商品やサービスのブランドストーリー、コンセプトを表現することで、ブランドとして何を目指し、どの様な価値を提供するのかを消費者に発信していくことになります。
2.ブランディングデザインの効果
ブランディングデザインの効果はなんといってもその視覚効果にあります。
見た目の分かりやすさと言い換えてもいいかもしれません。
視覚情報というのは文字情報に比べて瞬時に情報を伝達でき、分かりやすいがゆえに圧倒的に記憶に残りやすいのです。
さらに対象の年齢、知識レベル、言語に関わらず情報を伝えることができる非常に優れたコミュニケーションツールと言えます。
普段の生活の中でもこの視覚情報がいかに優れているかが分かります。
デパートに買い物に行った時の事を思い出してください。
トイレに行きたくなったらあのマークを、エレベーターをさがす時にはエレベーターのマークを探しますよね。
どこにもトイレはこっちです。エレベーターはここです。とは書いてなくてもマークを見るだけでどこにあるか分かるようになっています。
これこそが視覚情報の優れた点なのです。
そしてブランディングデザインはこの視覚情報によって消費者に訴求するので、自社サービスや商品のブランドイメージを発信する最も効果的な手法だと言えます。
3.ブランディングデザインを成功させるには
ブランディングデザインは数あるブランディング活動のなかの1つですので、これを完璧にしたからといってそれだけでブランド認知が高まるとは限りません。
しかしながら、視覚に訴えて商品、サービスを消費者の記憶に残そうとする手法ですので
ここで失敗すると反対に悪い印象を持たれる可能性もあります。
そこでブランディングデザインを成功させる方法を簡単に紹介します。
ブランドの現状を把握する
まずはブランドの現状を把握しなくては始まりません。
消費者にどんなブランドイメージを持たれているのか、どれだけの人に認知されているのか、なぜ「現在のブランドイメージ」が定着しているのかなど出来るだけ詳しく知る必要があります。
コンセプトを決める
次に、現状を把握した上でコンセプトを決めます。
コンセプトとはざっくり言ってしまうと、「伝えたいブランドイメージを言語化する」ことです。
コンセプトを決めるにはターゲットを明確にする事からスタートします。
年齢、性別、職業、趣味や休日の過ごし方等々出来る限り具体的に決めていきましょう。
あとはターゲットに対して、ブランドが何を目指し、どんな価値を提供するのかを出来るだけシンプルに明確に言葉にしてみてください。
例えば、スターバックスのコンセプトは「第三の場所」です。
家庭でも職場でもない第三の場所を提供すること目指しているのが明らかですね。
このように短いキャッチコピーにできるとと理想的です。
コンセプトをデザインに落とし込む
ブランディングにおけるデザインとはただ見た目を良くすることではありません。
ブランドの核となるコンセプトをデザインという目に見える形に落とし込んで初めてブランディングデザインとなります。
コンセプトがメッセージとして消費者に伝わるデザイン、これが最も重要なことなのです。
そのためにはデザイナーにコンセプトを正確に理解してもらう必要があります。
そしてコンセプトを基にキーカラーやフォントといったデザイン要素をすり合わせていきます。
ブランドイメージを統一するルールを決める
完成したデザインを一貫性をもって発信することがブランド確立には大切です。
そのために必要なのがデザインのルールです。このルールを社内外にデザインを発注するときに共有することでブランドイメージを統一することが出来ます。
ルールには色やフォントの指定、ロゴの使用方法といったデザインに関わる様々な要素で成り立っています。
4.まとめ
ブランディングデザインは消費者にブランドイメージを認知してもらうのに非常に優れたコミュニケーション手段です。
ただ単に見た目を良くするデザインではなく、ブランドコンセプトをデザインに落とし込むブランディングデザインを効果的に使って、競合他社との差別化をはかりブランド確立を目指しましょう。